3歳児健診って、何をやっているのでしょう?実は、都道府県・区市町村によって少しずつ違いがあります。
当ブログでは、私が経験した保健センターでの3歳児健診の流れをご紹介します。ぜひご一読ください!
健診当日の流れ
来所者が、実際に受診する順番に、内容を簡単に説明します。
健診の受付
持参書類などを確認します。
この時点で尿が取れていない子で、保健センター滞在中に採尿できそうな子には紙コップを渡しておきます。
4歳までなら、尿検査は後日検査を認めているので、トイレで排尿の経験自体がない、など明らかに当日も取れない子や、早朝尿で検査希望の方には、後日検査のご案内をします。
問診
書いてきてもらった問診票を確認しながら、記入漏れなどを埋めていきます。
外国人の方や、知的障害のある保護者、書類の記入に難しさがあるかたは、時間がかかってもしっかり聞き取り、代筆します。
問診では、医師、歯科医師、栄養士、心理士など、ほかの専門職に確認してもらうことがあるかを確認していますが、お話が長くなると、ほかの方の待ち時間が長くなるので、サクサクやります。
子供への問診
子供に簡単な質問をして、発達状況の確認をします。
聞くことは、その子の服装や雰囲気によって変えていますが、例を挙げるとこんな感じです。
区市町村によって、マニュアルで質問内容が決まっているところもありますが、私の勤務したところは、個人の裁量で自由に質問していました。
名前、年齢は、言えたかどうかカルテに記録しますが、そのほかは記録しません。
短いやり取りですが、子供が過度に親の顔色をみたり、親が高圧的に「言えるでしょ!!」と子どもを怒り始めたりと、様子が様々です。
健診の時間帯によっては、保育園のお昼寝の時間にあたるので、問診でぐずぐずする子も。
お昼寝の時間を問診票で確認して、眠さや人見知りを加味して評価しています。
視力検査
視力検査は、「遊んでいてできなかった」子と家での結果に問題があった子にスポットビジョンスクリーナーを実施しています。
スポット ビジョンスクリーナーは、6か月の乳幼児から大人までの視機能上の問題を迅速、かつ正確に検知することをサポートするために開発された、持ち運びやすい携帯型レフラクトメータです。
出典:アールイーメディカル株式会社ホームページ,「スポットビジョンスクリーナー」
ティッシュ箱くらいの大きさで、一瞬目が合えば検査ができるので、多動タイプのじっとしていない子も検査することができます。最近導入されましたが、確かに便利。
ただ、お家での検査が理解でき、親子で実施できたかは、視力というより発達面や理解力の評価の手掛かりになるので、個人的にはおうち検査をなくしてほしくないな、と思います。
歯科健診
区市町村の歯科医師会にお願いして、輪番で歯科医師の先生に来てもらっています。
指示があれば塗銀できるようにしてありますが、処置する先生は多くはありません。
歯科保健指導
歯科衛生士さんの集団指導です。
3歳は、大人向けのお話と子ども向けの話と両方しています。
集団での歯科保健指導は、全員にしますが、う歯(虫歯)があった親子には、個別でブラッシング指導します。
身体計測
の順で計測しています。胸囲は計測していません。
保育園や幼稚園で身体計測し慣れている子は、スムーズに計測できます。
経験のない子や、ちょっと過敏さがある子は、服を脱ぐだけ大泣きです。
脱衣をどこまで強制するか
泣いているなら着衣のまま計測、計測自体を諦める場合もあると思いますが、私の勤めている自治体では、時間をかけても、脱衣で計測します。
これは、診察に協力してもらっている医師会の先生からのご意見があり、長年脱衣を強く求めています。
毎日お風呂に入っているんだから、服を脱げないなんてことはない。
健診で検定を通した正確な体重計で計測するのに、着衣なんて意味がない。
ということでした。
手術痕等、ほかの子に見られたくないなどで脱衣が難しい方は、事前に申し出てもらい、別室で計測しています。
診察
医師会の中で小児科を標榜している先生に輪番で来てもらいます。
診察の内容は先生によって・・・という感じですが、聴診して、保護者からの質問や問診で出た内容を確認していく感じです。
丁寧な先生は、リンパや眼瞼結膜なども見てくれますし、陰嚢を確認したりすることもあります。
ここで心配な所見があれば、精密健康診査票という、紹介状のような書類を発行します。
栄養指導
市町村によって内容は違うようですが、私の出ている健診では
などを栄養士さんが指導しています。
結果説明
保健師が、計測や歯科・内科健診の結果を説明、聞き忘れたことがないか、保護者が先生の指示を理解できているか確認します。
そのほか、生活リズムの乱れや保護者の喫煙、事故予防など、問診票を見ながら必要なこと指導・助言します。
また、必要な人・希望がある人には、専門職の相談を案内します。
実際は、小柄やう歯、母のメンタルが心配などで、こちらから誘って相談につなげることが多いです。
健やか親子21の調査項目
平成27年頃から、健やか親子21の調査項目を健診の問診票に組み込んでいます。
「育てにくさを感じることはありますか」、「育児は疲れますか」など、さまざまな項目がありますね。
ですが、「育児は疲れますか」が「いいえ」の人なんて、ほとんどいません。
3歳児健診の時期では、イヤイヤ期を抜けつつあるとはいえ、保護者の方が大変に思っていることも多いです。
「育児はつかれますか」について「はい」と表出しているのに聞いておいて労わないのもおかしいので、
疲れますよね・・どんな時大変ですか?
と聞いていくと、涙を流されるお母さまも・・・まあまあいます。
健診会場をフリーに動いているスタッフがいれば、お子さんを見ててもらって、じっくりお母さまの話を傾聴できます。
人員不足の市町村だと余裕のあるスタッフ配置ができないので、フォローが中途半端になってしまい、お母様に申し訳ないな、と思います。
まとめ
今回は3歳児健診のながれを紹介しましたが、パート勤務したことがある他の県や市でも、同じような流れでした。
大まかには、
という流れです。
3歳児健診は、今回紹介したような集団で実施しているところが多いと思います。
東京では、6~7か月健診・9~10か月健診は医療機関に委託ですし、1歳6か月健診も、同じように委託している区市町村もあります。受診する側にとっては、土日も受診できる委託のほうがよかったりしますよね、
ただ、委託だと集団よりも費用が大きくなってしまいます。集団健診のやり方は、まだまだ続きそうですね。
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